来期もJ2だけど君にまた会える<妄想ショートショートシリーズ> [妄想シリーズ]
どうも、わたしです。
ジェフはJ1への昇格を逃してしまいましたが、
わたしは個人的に、J2というリーグは好きで、
激しさと、気迫のあふれるプレーぶりがみられる、
独特なリーグだと思っています。
ジェフの目標として、J1昇格は大事なものですが、
きっと上がることに葛藤があるという人も中にはいるんだろうなあと、
そんな思いからの妄想です。
どぞ。
参考ようつべ
<妄想1 来期もJ2だけど君にまた会える・・・・>
(妄想出演:国仲涼子、設定:片思いしているサポ仲間)
涼子「J1昇格したら、スタジアムであえなくなるね。」
国立のゴール裏で、応援の準備をしながら、
涼子が言った。
ボク「えっ!?なんで?J1行ったらさ、もっと応援しようぜ。もっと観戦者も増えて、フクアリも凄い雰囲気になるし・・・・」
今期は、かなりの観戦数を誇る涼子のそんな発言に、
動揺しながらボクは応えた。
涼子「うん・・・・。ほら、わたしお父さんがやってる沖縄料理店で働いてるじゃない。日曜は定休だから来られるけど、J1だと土曜日だもんね。お父さんと2人でやってるから・・・・・・」
ボク「・・・・そっか、それは寂しくなるな・・・・」
涼子「・・・なんて。ハハハ、でも、そんな心配、昇格できたらだからさ。今日一生懸命応援して、昇格しよう!!」
涼子は笑顔でそういうと、
国立のピッチへ視線を向けた。
ボクたちは、仲間内数人で集まって、サークルを作り、
つねに全員集まれるわけではないけど、来られるメンバーでジェフの応援を続けている。
そのメンバーの一人が、
涼子だ。
いつも溌剌としていて、一生懸命ジェフを応援する姿に、
ボクは、好意を抱いていたけれど、
いつも他のサポ仲間もいるし、
なかなか踏み出せないでいた。
いつかの居酒屋での祝勝の飲み会の時に、
誰かに聞かれていた”どういう人が好みなの?”という答え、
”うーん、そうだなあ、一所懸命声を出せる人なんて、カッコイイですよね”、
そんな一言を忘れずに、
ボクは密かに、がんばって大きな声で応援を続けてきた。
この昇格プレーオフの決勝は、昇格が掛かる一つの区切りであったけれど、
一緒に応援できる平穏な日々が、ずっと自然と続くものだと思っていたところに、
突然の告白であった。
涼子「なんか表情硬いよ!!アレだ、決勝だからって緊張してんでしょ。緊張してたら声でないよ。」
ボク「バカ、ちげーよ!!今日はきっと勝って、J1行っちゃうじゃん?そしたら今日の祝勝会は俺が太っ腹に奢っちゃおうとか、頭の中で計画を立ててたわけよ。」
涼子「え~~!!ホント?やったー。御馳走サマ!!」
ボク「気がはえーよ!!勝ったらだかんな!!勝とうぜ!!」
ボクは、勝って昇格したいという気持ちと、
勝ったら来年は一緒に応援が出来ないという葛藤から、
とっさにトンチンカンな約束をしていた。
今日は、3年間ずっと望んできた昇格を決める試合、
でも勝ってしまったら・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白熱したゲームは、0-0のまま、
後半40分を迎えた。
大分の選手交代が入り、ゲームが止まったところで、
ボクはちょっとピッチから目を離して、
涼子のほうを見た。
涼子「ゆくなーらーおれたちも~どこまーでも行くぞーーー♪。」
涼子は、雨にぬれてびしょびしょになりながら、
やや線の細い体で、リズムに合わせ腕を振りながら、献身的に応援を続けていた。
勝ったら来年は彼女と会えないかもしれないという葛藤で、どこか気が飛んでいるところがあったボクは、
彼女の一生懸命な姿を見て、胸が締めつけられた。
涼子があれだけ応援しているのに、
ボクは・・・・・・・
切り替えろ、
絶対にJ1へいくんだ。
葛藤を振り切り、
精いっぱいの声を出そうと、ピッチに視線を戻した瞬間、
遠くのゴールに、
岡本の手をすり抜け、うき球が吸い込まれるのが、
見えた・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
涼子「なんか今日は声出てなかったじゃん。罰として、負けても奢ってよね!!」
残念会をしていた居酒屋で、
葛藤と自己嫌悪で元気がなくなっていたボクに、
涼子が冗談めかして声をかけてくれた。
ボク「奢らねーよ!!来年、昇格したら、ぱーっと奢ってやるから、来年もしっかり応援しろよ!!」
涼子「・・・・・・・・・・・・・・・うん、来年はきっと行こう。J1へ。実は・・・・・・・・・・・」
涼子は、ちょっと表情を曇らせて、
言った。
涼子「実はわたし、来年J1に行ったらみんなと応援できなくなるのが寂しくて、ちょっと声がでてませんでした。」
涼子「来年は、もっと一生懸命応援するから、来年も一緒に応援よろしくお願いします!!」
彼女は、みんなに向かって、
深々と頭を下げた。
そんな彼女の真面目な振る舞いに、
みんな来年も一緒に応援できることが嬉しそうだった。
ボクも、心に誓った。
彼女と一緒に、精いっぱいの応援を。
彼女が、認めてくれるくらいの。
そして、ジェフが昇格するくらいの。
そうして、ボク自身も、
恋人へ昇格を果たすんだ。
目の前ですっかり気の抜けたビールを、
一気に流し込みながら、そう思った。
<FIN>
来年こそ、行こうぜ、
J1へ。
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ジェフはJ1への昇格を逃してしまいましたが、
わたしは個人的に、J2というリーグは好きで、
激しさと、気迫のあふれるプレーぶりがみられる、
独特なリーグだと思っています。
ジェフの目標として、J1昇格は大事なものですが、
きっと上がることに葛藤があるという人も中にはいるんだろうなあと、
そんな思いからの妄想です。
どぞ。
参考ようつべ
<妄想1 来期もJ2だけど君にまた会える・・・・>
(妄想出演:国仲涼子、設定:片思いしているサポ仲間)
涼子「J1昇格したら、スタジアムであえなくなるね。」
国立のゴール裏で、応援の準備をしながら、
涼子が言った。
ボク「えっ!?なんで?J1行ったらさ、もっと応援しようぜ。もっと観戦者も増えて、フクアリも凄い雰囲気になるし・・・・」
今期は、かなりの観戦数を誇る涼子のそんな発言に、
動揺しながらボクは応えた。
涼子「うん・・・・。ほら、わたしお父さんがやってる沖縄料理店で働いてるじゃない。日曜は定休だから来られるけど、J1だと土曜日だもんね。お父さんと2人でやってるから・・・・・・」
ボク「・・・・そっか、それは寂しくなるな・・・・」
涼子「・・・なんて。ハハハ、でも、そんな心配、昇格できたらだからさ。今日一生懸命応援して、昇格しよう!!」
涼子は笑顔でそういうと、
国立のピッチへ視線を向けた。
ボクたちは、仲間内数人で集まって、サークルを作り、
つねに全員集まれるわけではないけど、来られるメンバーでジェフの応援を続けている。
そのメンバーの一人が、
涼子だ。
いつも溌剌としていて、一生懸命ジェフを応援する姿に、
ボクは、好意を抱いていたけれど、
いつも他のサポ仲間もいるし、
なかなか踏み出せないでいた。
いつかの居酒屋での祝勝の飲み会の時に、
誰かに聞かれていた”どういう人が好みなの?”という答え、
”うーん、そうだなあ、一所懸命声を出せる人なんて、カッコイイですよね”、
そんな一言を忘れずに、
ボクは密かに、がんばって大きな声で応援を続けてきた。
この昇格プレーオフの決勝は、昇格が掛かる一つの区切りであったけれど、
一緒に応援できる平穏な日々が、ずっと自然と続くものだと思っていたところに、
突然の告白であった。
涼子「なんか表情硬いよ!!アレだ、決勝だからって緊張してんでしょ。緊張してたら声でないよ。」
ボク「バカ、ちげーよ!!今日はきっと勝って、J1行っちゃうじゃん?そしたら今日の祝勝会は俺が太っ腹に奢っちゃおうとか、頭の中で計画を立ててたわけよ。」
涼子「え~~!!ホント?やったー。御馳走サマ!!」
ボク「気がはえーよ!!勝ったらだかんな!!勝とうぜ!!」
ボクは、勝って昇格したいという気持ちと、
勝ったら来年は一緒に応援が出来ないという葛藤から、
とっさにトンチンカンな約束をしていた。
今日は、3年間ずっと望んできた昇格を決める試合、
でも勝ってしまったら・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
白熱したゲームは、0-0のまま、
後半40分を迎えた。
大分の選手交代が入り、ゲームが止まったところで、
ボクはちょっとピッチから目を離して、
涼子のほうを見た。
涼子「ゆくなーらーおれたちも~どこまーでも行くぞーーー♪。」
涼子は、雨にぬれてびしょびしょになりながら、
やや線の細い体で、リズムに合わせ腕を振りながら、献身的に応援を続けていた。
勝ったら来年は彼女と会えないかもしれないという葛藤で、どこか気が飛んでいるところがあったボクは、
彼女の一生懸命な姿を見て、胸が締めつけられた。
涼子があれだけ応援しているのに、
ボクは・・・・・・・
切り替えろ、
絶対にJ1へいくんだ。
葛藤を振り切り、
精いっぱいの声を出そうと、ピッチに視線を戻した瞬間、
遠くのゴールに、
岡本の手をすり抜け、うき球が吸い込まれるのが、
見えた・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
涼子「なんか今日は声出てなかったじゃん。罰として、負けても奢ってよね!!」
残念会をしていた居酒屋で、
葛藤と自己嫌悪で元気がなくなっていたボクに、
涼子が冗談めかして声をかけてくれた。
ボク「奢らねーよ!!来年、昇格したら、ぱーっと奢ってやるから、来年もしっかり応援しろよ!!」
涼子「・・・・・・・・・・・・・・・うん、来年はきっと行こう。J1へ。実は・・・・・・・・・・・」
涼子は、ちょっと表情を曇らせて、
言った。
涼子「実はわたし、来年J1に行ったらみんなと応援できなくなるのが寂しくて、ちょっと声がでてませんでした。」
涼子「来年は、もっと一生懸命応援するから、来年も一緒に応援よろしくお願いします!!」
彼女は、みんなに向かって、
深々と頭を下げた。
そんな彼女の真面目な振る舞いに、
みんな来年も一緒に応援できることが嬉しそうだった。
ボクも、心に誓った。
彼女と一緒に、精いっぱいの応援を。
彼女が、認めてくれるくらいの。
そして、ジェフが昇格するくらいの。
そうして、ボク自身も、
恋人へ昇格を果たすんだ。
目の前ですっかり気の抜けたビールを、
一気に流し込みながら、そう思った。
<FIN>
来年こそ、行こうぜ、
J1へ。
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タグ:ショートショート
2012-11-28 00:15
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コメント(2)
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読ませますねぇー
ダブル昇格、心から応援しています。
by 青赤の犬 (2012-11-28 14:21)
>青赤の犬さん
コメントどーもです!!
べたな内容ですが、萌え要素よりも、文学チックにかけたので、自分でも面白い文章に出来たと思います。来年はサポーターも自らを鍛え、それぞれがそれぞれのダブル昇格を目指す年にしてもいいかなと思います。
ではでは。
by nuruinu (2012-11-29 00:05)