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ジャイアントキリングの美学 [サッカー]

どうも、わたしです。


連戦が続くと、細かいレポートは間に合わないので、お茶を濁してごまかします。

次の相手のゲームを見るのでやっと。

スタッフは、もっと見てるんだろうな。

ほんと大変だと思います、スタッフの仕事・・・。




さて、10月25日付けの日経新聞のコラム「クールダウン」が面白かったので紹介します。

このコラム自体はサッカーが題材ではなく、格闘技と相撲。




コラムでは、筆者は、格闘技の醍醐味のひとつは、「小」が「大」を倒すことだが、階級制が増えてきて、理解はしつつも物足りなさを感じると。

その例外として大相撲があり、9月の秋場所では、幕内最軽量98キロのチェコ人力士隆の山が、倍近くある巨漢力士達に挑んだ。隆の山は前に出る相撲で真っ向勝負を挑み負けたそうだが、

筆者は、軽量の奇襲を非難するものはいないはずで、遠慮せずに挑んで欲しいと述べ、「小」が躍動する土俵に、欧米流の合理主義とは一味違うドラマがある、と締めておられました。



この気持ちはよくわかり、うなずいてしまいます。



”小さいものが大きいものを倒す”、”柔よく剛を制す”、というのは日本人の美学だし、

なんだか、そっちを応援したくなってしまうんですねえ。


必ずしも「小」や「柔」が頑張っているわけでもないし、

「大」や「剛」は、その体格や実力を作るのに相当な努力をしてきたはずなのに。


「小さい」「細い」ということが、イコール、”ハンデ”だと、

感覚的に感じとってしまうからではないでしょうか。

遺伝的、環境的要因で、大きくなりたくてもなれなかった選手だと感じるということでしょう。




さて、前置きが長くなりましたが、

サッカーの場合では、「小」が「大」を倒すのは、「ジャイアントキリング」と言われます。

書くのが面倒なので、「ジャイキリ」とします。

日本語の造語だと思っていましたが、「giant-killing 」という語は英語にあるそうで、

番狂わせを意味する語として使われるそうです(WIKIより)。





ジャイキリの場合、「小」は、格闘技の場合と違い、小兵ということではなく、

クラブ規模の「小」さいことを意味すると思われます。

草津戦で、深井がロングスローをヘディングで押し込みましたが、そういう勝負ではなく、

クラブ規模の小さいチームが、ビッグクラブを打倒するということだと思ってます。




これも日本人は大好きです。

小さいクラブを応援したくなります。

大きいクラブの行ってきた努力より、小さいクラブの”ハンデ”に思い入れを起こすということでしょう。



小さいクラブは、感覚的にですが、

プロ選手も少なく、年棒も少なく、生活は苦しく、

練習環境も良くなく、

仕事と両立しながら練習を行い、

ただ、その中でも必死に戦っている、

そんなけなげな印象を自動的に与えてしまうのかもしれません。

それが”ハンデ”としてとらえられる。



ビッグクラブはどうか。

お金のある裕福な選手たちが、午前は芝のピッチで練習し、

午後は、シャワーを浴びて、高級車で帰宅する。

「小」と「大」のハンデは、どうしても感じられてしまうのです。




そして、天皇杯のような「大」と「小」がぶつかる大会が催される。

毎回、「大」が「小」に食いつぶされ、日本人は、大いに湧き、感動する。




「小」さいチームは、苦労の末、そしてハンデを乗り越えるための工夫に工夫を重ね、

戦略を練り、気迫で戦い、

やっと「大」きいチームを凌駕する。

その喜びの表情たるや、素晴らしいものがある。


これが、われわれがジャイキリに望むもののすべてであろう。





しかし、たいていの「大」きいチームは、

得点を入れられても、反撃の表情は小さく、ボールを取りに行くでもなく、

うつろで、誰かに責任を転嫁したような、”あー何やってんだよ”という表情をしているように感じる。



これがジャイキリのおこる原因ではなかろうかと思う。

なめてかかっているのである。



ジャイキリは、日本人の美学であり、小さい方を応援したくなる気持ちは、

素晴らしいものであると思う。

ただ、ビッグクラブも、気迫だけは忘れないでほしいものだ。

相撲と同じく、「小」さいクラブの奇襲を責めるものはいないだろうし、

堂々と奇襲してほしいとおもうが、

「大」きいクラブも誇りを持って、

堂々と受けて立ってほしいと思う。



その結果起こるジャイアントキリングを誰も責めないだろうし、

それが、本当に美しい勝負ではないかと思う。



ファンとしての立場からすると、

「小」と「大」のそれぞれの意地のぶつかりあい、

そんな本気のサッカーが見たいねえ。



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”ジャイアントキリング”は、サッカーファンみんなが楽しみにするものじゃないかと思います。

どうやって起こるのか、どうして好きなのか、というのはまた機会があったら、

掘り下げて考えてみようと思います。

大学生チームがJ1チーム倒したりすると、わくわくしますからね、やっぱり。

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コメント 2

WAON_WAON

こんばんは。ジャイアントキリングという言葉はNHKのアニメで知りました。若いときに見た青春サッカーアニメのように、より身近に感じる大好きなアニメの一つです。
by WAON_WAON (2011-10-28 20:30) 

nuruinu

> WAON_WAON さん
こんばんは。
そうですね。アニメ(漫画)のタイトルになって知名度の上がった言葉なんですよね。アニメ(漫画)は最近チェックできてないんですが、最新の知識が使われていることが多くて、面白いですね。
ちなみにこれも読めてないんですが、ジャイアントキリングと同じ原作者さんの”U-31”という作品はジェフをモチーフにした(?)作品らしいので、いつかは読んでおこうと思ってます。
ではでは。
by nuruinu (2011-10-28 23:32) 

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