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勝負を分けるちょっとの差【2012年J2第38節 vs大分戦@フクアリ】  [レポート(2012)]

ジェフ1-2大分



どうも、わたしです。




サッカーは難しいですね。

最高の30分間で試合を進めながら、最後には押し返されてしまうというのは、

不思議です。




「なぜ後半ペースダウンしたかというのは、もう一回しっかり見てみないとわかりませんし、考えないといけません(木山監督)」



と、木山監督はコメントしましたが、

そのあとで続いていた言葉が、大体の試合の流れを分析できていて、

物語っているように感じました。



まず、流れを簡単に振り返ります。




序盤からジェフ・大分ともに中盤で激しい競り合いを見せると、おもにサイドを中心に前へ前へと展開する流れ。ジェフは鋭い出足と高い位置から守備を寄せ、相手にパスを回させず囲み奪うと、鋭いカウンターを仕掛け相手はファウルで止める展開を繰り返す。前半10分、右サイドで峻希、勇人、佑昌が細かくパスを回し抜け出しクロスをあげると、ゴール前に詰めた3選手のうちヤザがマークを外しシュートし、先制。この後もボランチ、サイドバックが高い位置をとり、中盤の寄せからカウンターという形で押し込み続ける。大分は27分に交代を入れると、個の力を発揮し始め、態勢がとれなくてもパスをつなぎ始める。そのため抜かれるケースが増え、やや下がり気味になり寄せが甘くなった、56分大分の右サイド三平に突破を許すと中央FW森島に入れられゴールを許す。66分には左サイドから木島に抜け出されクロスを森島に決められリードを許した。終盤オーロイを投入しパワープレーを試みるが、大分の守備に跳ね返され、悔しい敗戦となった。




思うところを書いていきます。




①勝負を分けたちょっとの差


即レポにも書きましたが、

ジェフとすれば、前半の内容というのは、

素晴らしい出来だたっと思います。



コンパクトに布陣してくる大分に対し、

中盤でしっかり高い位置からコンパクトに寄せ、相手の攻撃を潰すと、

ボールを素早く前へ、速攻に、つなげるか、

もしくは相手のコンパクトな布陣の逆サイドへ振っていく展開が見えており、



得点こそ1得点でしたが、

内容的には100点満点で120点という前半だったと思います。



サイドバック圭二、峻希が何度も駆け上がり、

勇人が、自陣からゴール前までの広いエリアで躍動しボールに絡み、

サトケンが全体の守備を統治し、

FW荒田、佑昌は攻撃守備に運動量を見せ、

ヤザ、兵働は、老獪に切り込みファウルをもらい、自分たちの展開を引き出し、

DF陣、大岩、竹内、岡本が後方をしっかり締めていました。



今やりたいサッカーを見せ、

圧倒したところから、後半に押し返されてしまったのはどうしてかと、

やはりやや不思議です。



わたしは、大分とジェフのちょっとの差が、

勝負を分けたとみています。



ジェフ公式に木山監督のコメントが載っていますが、

大体試合に関する評としては、わたしも同じように感じます。



ややシンプルに前がかりになりすぎたところがあり、

後半は、球際の寄せが甘くなってきたところで、

サイドに起点を作られてしまった。



監督のコメントでも、ちょっとしたところで、うまく対応ができなかった、

ということです。




大分は、ジェフに押し込まれた前半27分に一枚目の交代カードを切り、

このへんからやや押し返していきます。



ここで大分がやってきたことは、そこまでと大きく変わっていないと思うのですが、

継続してやっていたのが、サイドを下げすぎないで、前を向かせたこと。



サイドは、ジェフが相当押し込んでいたんですが、

前節、草津はここで、サイドを下げてくれたので、

ジェフは押し込んだ試合を続けることができました。




大分は、押し込まれても自分たちのスタイルを変えず、

サイドを突っ張った感じがします。



そして、そんな状況から、

パスをシンプルにつないできます。




ジェフの寄せが強い時間帯も、

シンプルなパスを入れ、

受け手の選手は、足を出すだけのワンタッチのような雑なつなぎでも、前線にパスを通していきました。





非常に能力の高い選手たちがいて、

しかもこの戦い方を継続的にやってきたからこそできるつなぎだと思います。



この予想しにくい、態勢の悪いつなぎは、逆にマークがしにくく、

ワンタッチであることから早さも早く、

ジェフは大分の選手に抜けだされるケースが増え、マークが追いつかないことから、



ジェフは、サイドバック、そして、ボランチが守備位置を下げ、引いて対応せざるを得ず、

全体の寄せが甘くなり、逆に、決定的なピンチを迎えてしまったのだと思います。



1点目では、右サイドでMF三平選手への寄せが無く、ドリブルで切り込まれラストパスを入れられていますし、

2点目では、左サイドをシンプルにつながれ、木島選手に寄せられず突破を許し、

両方とも、慌てて対応した隙に、ゴール前でややフリー気味に、FW森島選手に決められてしまっています。





ジェフも多くのケースでは、シンプルにつなぐことを目指し、

ワンタッチで入れていくことを意識したパス回しをしていましたが、

どうしても、大分のようには足がボールに届き切らない。




守備に関しても、

もう一歩分前に飛び込めば、足に当てて球際で奪い取れるケースでも、

伸ばしても足がボールに届かない。



その足が届かない一歩分で、足を出してつないでいけた大分と、

足がでないでつなげなかったジェフの差、



ちょっとの差が、

大きな勝ち点3の差になったのかなと思います。




しかしこの差を埋めるのは、

簡単なことではありません。




大分は、その一歩の足がでるようになるまで、

昨年を含め、2年間、同じ戦術を継続し、

ひたすらに足を出し続けてきたといえるでしょう。



ジェフの場合は、もともとは狙ってきた戦いは、

もっときれいにパスを回す戦術で、

ワンタッチでシンプルにつなぐのはやや付け焼刃なのかもしれません。




守備に関しても、積極的にプレスし続けてきたわけではなく、下がって対応する試合もあり、

ずっと継続して、激しいプレスと激しい球際の攻防をしてきたわけではない、



この継続性の差というのも出たのかもしれません。



ジェフとすれば、やりたいサッカーができていた中でも、

その無理のあるつなぎの部分で、大分につながれてしまったというところは、

相手の個の力で打開されたという説明もできるでしょう。



ジェフが守備をしっかりしているにもかかわらず、

個別の局面で、抜けられてしまったわけです。




チーム戦に持ち込み、いいペースを作りつつあったジェフは、

大分の個の力で打開されて、ペースを失ったという、

そういう見方にもなるわけです。



ここ数試合のジェフは、守備としてはチーム力で戦う選択をしましたが、

甲府ダヴィ、東京V阿部、そして今節大分三平、森島、村井など、

個の部分で競り負けているケースがやや散見されます。




この個の力の部分に対しても、当初は、

ジェフは少ない人数で守り、個の力で守り切るというのが今期やってきたサッカーだと思いますが、

怪我人も出て、チームとして対応する形で守りきっていきたい今、



差がでたちょっとの差の部分というのは、個で埋められない以上、

チームとして埋める意識をし、

選手全員が意識して、もうひとふんばり我慢し、前に寄せる勇気を持っていく必要があるのかもしれません。



書いていて、まとまらなくなってきましたが、

やりたいサッカー自体は、120点できていると思いますので、

あと、さらにまっすぐに、足をもう一歩だし、走り続ける精神力を鍛え、

相手の個の力をチームとして補っていくことを意識して、

ぶつかっていければ、今期の集大成につながるのでないかと、

個人的に思います。




さて、ジェフは、大分のとの大一番に敗戦し、

苦しい立場となった。



しかし、幸いにも、

上位陣がそろって足踏みし、

大きく順位を下げることなく次につなげることができた。



この幸運を自分たちのものにできるかどうかは、

自分たちの戦い次第である。



今節、選手、サポーターともに、

一丸となり勝ち点3を目指す戦いができていた。



この姿勢を、継続できるか、

さらに強めるか、弱まってしまうのか、

問われるのは、そこである。



次節戦う湘南とは、

前回対戦のフクアリで、中盤で激しい競り合いをし、死闘といえる試合を引き分けた相手である。



そんな湘南に、負けない、

負けたくない。



今節見せた前へのサッカーを、前への姿勢をさらに強め、

もう一歩、激しくボールを競り合い、

サポーターも全員で後押しし、

勝利をつかもう。



われわれには、

それができる。




がんばれジェフユナイテッド。




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コメント 2

まる犬

nuruinuさんこんにちは。
まず、目標達成おめでとうございます。
ワタシも少しは貢献できて良かったです(笑)

さて先日の大分戦、非常に残念でした。
久しぶりに12,000人弱のお客さんが入ってくれて、ヤザのゴールでフクアリも盛り上がったんですけどね・・・。

その大分戦、木島選手が鍵だったように思います。
恐らく田坂監督は後半勝負だったはずで、その後半へ向けて前半の段階での木島選手投入ではないかと。
ベンチに居る選手はただの交代要員ではなく、途中出場でも、5分や10分で流れを変えなければ試合には勝てません。
特に今年は、途中出場の選手が空気のように消えてしまうことが多く、逆転勝ちが1試合しかないのも分かるような気がします。

ただ、大分戦の前半の選手たちの気持ちの入った(特に勇人)戦いは、ワタシをとてもワクワクさせてくれました。
残りはもう4試合しかありませんが、全力で戦って欲しいです。
(長文失礼しました)

by まる犬 (2012-10-16 08:02) 

nuruinu

>まる犬さん
こんにちは!!

やっと目標達成しました!!ありがとうございます。

1万2千人の観客と、前へ飛び出していく選手たちが沸いた前半は最高の出来でしたね。勇人は本当に広い範囲でボールに絡んでくれて、わくわくするようなプレーぶりだったと思います。

おっしゃる通り、大分の木島選手の出来が良かったと思います。ブログにも書きましたが、個の力で打開されてしまった部分で、木島選手のドリブル突破というのは、ジェフを下げさせた要因の大きい部分に当たると思います。わたし自身は、木島選手によって下げさせられ、さらに木島選手につながれてしまったことも敗因で、FWにボールを入れさせないような試合を作ってほしかったなと思います。前半はまさにそういう内容で、スカパーでも森島選手は消えていたと言ってましたし、そのまま消し続ける試合をしたかったですね。

次節湘南戦は、またまた中盤でのプレスが持ち味のチームですから、ジェフは大分戦の前半のような戦いを継続してくれるはずと思います。直接上を蹴落として、昇格へつなげていきましょう。

ではでは。
by nuruinu (2012-10-16 16:35) 

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