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厚みあるゴール前と迫力のプレー【2012年J2第19節 vs鳥取戦@フクアリ】 [レポート(2012)]

ジェフ3-1鳥取


どうも、わたしです。



首位獲りに成功する見事な勝利となりました。


連戦ということもあり、磐石のゲームとはいきませんでしたが、

意義ある試合になったんじゃないでしょうか。


そんなわけで、いいところと、うーんというところ、

思うところを振り返ってみたいと思います。



まず、流れを振り返ります。


試合開始後すぐ、高い位置からプレッシャーをかけるジェフと鳥取。開始30秒ほどでジェフは兵働が相手の横パスに喰らいつき奪うと独走しクロス、藤田がノーマークで飛び出しヘッドで先制した。その後は鳥取とのプレス合戦となるが、セカンドボールが鳥取に出るようになり、苦戦。しかし、27分、最後方で奪うと竹内から藤田を経由し右サイド大岩が抜け出しクロス、これを兵働がシュートし前半で2-0とした。後半も加点し、也真人、大塚を投入する展開になるが、プレッシャーが弱まりピンチを招く。鳥取にゴール前で回されるとクロスをハンドしPKを謙譲し、失点。その後は、落ち着いて対応しつつ、最後まで走りきった試合を制したゲームとなった。


思うところを書いていきます。



①厚みあるゴール前と迫力のアタッキングサード


3得点をあげた攻撃ですが、

スカウティングとしっかりした相手対策ができていると感じました。


プレビューでも書きましたが、

鳥取の弱点として、サイドからの攻撃と速攻に弱い点があげられます。


結果、3得点ともサイドから崩した得点をあげられたということは、

見事だと思います。



それをしっかりスカウティングし、対策を立てていたからこそ、

1点目のように兵働が高い位置で奪いに行ってサイドを駆け上がる攻撃ができたでしょうし、

3点目のように大岩から早めにクロスを入れていく攻撃に結びついたでしょう、

またサイドのクロスが上がるタイミングになるように、多くの選手が攻めあがる状況も作れました。


甲府戦でもそうですが、スタッフの的確な分析と、

その分析を選手に伝達する力を感じました。



その中で、注目したのは、

2点目の27分のゴール。



これは、今期のベストゴール候補と言える、

見事なゴールだったと思います。



ジェフは自陣深いところで奪うと、竹内が前線の藤田に縦に長いフィード、

藤田はポストし、上がってきていた右サイドの大岩が、さらに前に行くようスペースに走らせるパス。

大岩はタッチライン深いところまで抜け、マイナスのクロスを入れると、

ボールのライン上に攻撃陣は3人入っており、佑昌がスルーし、ヨネが相手選手とつぶれ、

一番奥の兵働がフリーで受け、落ち着いてゴールに突き刺したゴールとなりました。



ポイントは下記。



①少ない手数でゴールへ向かう。

しっかりスペースへ走っていたことで、竹内→藤田→大岩と、

非常に少ない手数で、ラストパスを入れています。


縦パスを入れた竹内、受けてさらにパスを出した藤田もいい判断です。


後方から短いパスをつないで崩していくのもいいスタイルですが、

これができるのであれば、こういう風に少ない手数である方がいいに決まっているので、

こんなプレーがもっと見られたら、素晴らしいです。



②ボールと一緒に攻め上がる厚みのある攻撃


今節は、他の場面でも、ボールを持った選手が攻め上がるのと同時に、

ゴール前やサイドに他の選手が攻め上がり、マークを引き付ける動きがありました。


それにより、相手DFはマーカーの確認に混乱し、

結果的にボールホルダーがおろそかになったり、スペースができたりしています。



この2点目のシーンでは、クロスのボールが入るライン上に3人と、

ペナルティエリア付近のミドルを打てる位置に1人、

4人がゴール前に詰めていて、

少ない手数でボールを持ってきたのに、非常に厚みがありました。



リスクはあっても、この攻め上がりはいいものであると思いますので、

どんどんやってほしいと思います。



③無理に崩さず、スルーという選択。


ここまで課題であった、アタッキングサードの崩しという部分に、

新たな光明が見えたかなというのが、

今回の得点(あと3点目)。



クロスが入ってくるボールのライン上に、一直線に選手が並んでいて、

大岩がクロスを上げると、

佑昌、ヨネ、兵働の順に並んで、それぞれボールに飛び込んでいく形になりました。


ここで見られたのが、スルーという選択。



相手選手はジェフの選手にボールが入る前にカットできないようなタイミングでボールをセンタリングされたならば、

すぐにシュートされないようジェフの選手のマークにつかなければいけませんが、

当然、ボールに近く、先にボールが入る可能性がある、ニアの方からマークしています。


そのボールの入ってきたニアの選手がスルーするという選択をしたら、

相手DFは予想が外れるとともに、逆にスルーした選手にスクリーンアウトされてしまい、ボールに関与が難しくなるでしょう。

実際に、ヨネはマーカーの選手とともにつぶれて、

一番奥で、兵働はフリーで受け、

兵働は寄せてくる選手もなく、落ち着いて決めている印象です。



この形は、ゴール前を崩すという意味では、

ゴール前でセンタリングを受けて、さらにショートパスを回すより、

効率的でしょう。



パスを回せば、トラップやパス出しの際に、

どこかでタッチを誤れば、パスミスにより相手に奪われ、失敗です。



それを、今回のようにクロスのラインに一直線に飛び込むというやり方をすることで、

スルーというやり方を使って、

パスミスというリスクなく、

アタッキングサードを崩す効果ができると、感じました。



3点目も同様の形であったことから、

ジェフの”チームとして”、研究がなされている形でしょう。


この攻撃は、どのチーム相手にもできるというわけではないと思います(ゴール前に密集していれば使いにくい)が、

チームとしての成熟の高さを感じさせる戦術ではないかと、

思います。


以上の①②③の理由から、この2点目のゴールが、

凄いと思っていて、

いろんな要素を含み、ジェフのチームとしての成熟を感じさせるゴールだと思います。



②迫力のあるレギュラーと、なかったサブ組


残念ながら、あとは課題です。


昨日即レポにも書きましたが、

多くの選手が攻撃に守備に、迫力をもってプレーしてくれたと感じました。


3点取ったことから、若手選手が早めに登場。


経験を積み、レギュラー奪取へアピールする場となりましたが、

わたしの感想としては、レギュラー陣との差を感じてしまう結果となったと思います。


プレーは悪くないし、非常にクレバーな冷静なプレーで、

頑張ってくれたのは間違いないでしょう。



しかし足りなかったのは、やはり、迫力の部分。


例に出してしまって申し訳ないが、

後半の75分くらいの左サイドの攻防、

攻撃時のポジションチェンジによりFWに也真人、左SHにヨネが入ったシーンがあった。



鳥取がボールを保持し、

前線から共にプレッシャーをかけるが、

也真人は寄せが甘くコースを限定するだけで通してしまう。



そこにヨネがプレッシャーをかけるが、

後方からものすごい勢いで走り込み、

相手の前方のコースをふさいだ。


相手はその迫力に押され、

後方に戻すシーンがあった。



淡々と走っていた也真人は突破され、

迫力をもって迫ったヨネは押し戻す。



止まったところから一気に迫るメリハリの部分だったり、

表情や走り方などの気迫の部分に、差があるのではないかと思う。



攻撃時も同様で、突破の気迫を見せつつパスを出せば、

実際に足やボールを出さなくても、フェイントになるのである。



淡々とプレーというのは個性かも知れないが、

”気迫”というものがあるかないかというのも、また重要。



それがあると、相手からは注目され、味方からも注目され、

ボールは集まるようにもなっていくだろう。


元日本代表の三浦淳宏はやはり淡々としたパサーだったが、

仲間がついてくるようにするために、女子代表の奥さんの指導で必死に見える”走り方”を研究したという。


その走り方をすると、前のめりで非常に好感が持てる走り方に見えるのである。

決してスピードが早くなるわけではないようだが、

一流選手ほど、そんな”見え方”のことも考えているようだ。



ジェフには、プレーから必死さが伝わる選手が多い。



藤田は最後まで大きな体躯で走り抜きボールを追い、

ヨネはガムシャラに突っ込んでいき、

佑昌や深井はトップスピードで突っ走っていく。


若い選手たちも、大事な出場機会に臆せず、

自分たちのスタイルを越えていくべく、

迫力ある”見た目”を出して、相手を威圧するようなプレーを見せてほしいと思う。



そうすれば、相手からは一目置かれ、

味方選手の心をつかみ、サポの心をつかみ、

監督の目も引くのだろう。


わたしのようなスタジアムにも行っていないような情けないサポから、

こんなことを書かれることもない。



試合後のコメントでは反省もあった選手もいて、こんな風に書くことないかとも思うのですが、

今後に大きな期待を寄せて、

期待とともに、書くことにしました。



プレー自体は、悪くないと思いますので、

自信と迫力あるプレーにさらに期待です。



③鳥取の押し込んだ攻撃とジェフの弱み


長くなってきたので、簡単に。


後半は、鳥取の時間帯があり、押し込まれたとき、

鳥取はひし形の陣形をつくりパスを回すが、ジェフはプレスができない場面がありました。



ジェフは前線でプレスすることを基本としていて、

最終ラインは最後の砦であることから、プレスで押しだすことができず、

あるラインよりを越えて攻められれば、ブロックを作る守備となるでしょう。


そのため、そのエリアではプレスでの押しあげが弱くなり、

攻撃陣が戻って挟む形に持っていくまで、対応も遅れます。


その位置で奪ってから、攻撃陣が上がっていくのにも時間がかかることになり、



やはり、中盤を抜けられてしまうと、かなり嫌な展開になるのを感じました。



これから、夏場、

スタミナ負けすると、

ラインが下がることもあるでしょう。


そういう場面も増えていくことになれば、

ジェフらしいプレーが減り、

失点も増え、同時に得点も減ることにつながります。




いろいろな対策があると思いますが、

しっかり先制して、スタミナを持続するべく体調を整えて、

ラインを下げず、気持ちで負けず、

押し込まれる時間を少しでも短くしてほしいと思います。





さて、

ホームゲームで首位奪取となった今節、

ジェフは激戦を迫力あるプレーで勝ちぬいた。



相手のプレッシャーに押される場面もあり、

盤石の試合とはいえない試合であったが、



気持ちで負けず、前へ前へいく積極的なプレーを、

随所に見ることができただろう。



次節は、敵地で首位決戦である。


気迫ある相手との、

激戦となるのは必至だろう。



しかし、

この前への圧力を忘れず、

連戦の重くなった足を気持ちで前にだせるプレーをすれば、

何も恐れることはない。



相手の攻撃は脅威であるが、

リスクを恐れずに前へ。


頑張れジェフユナイテッド。



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コメント 2

秋津蜻蛉

nuruinuさん
こんにちは!
得点までの流れはどれも美しいですねぇ。
鳥取は打ち合わせしっかりできてなかったんですかね?兵働には⑯がつくはずだったのかな?
後半から⑩が出てきてやっとチームが機能しだしたような…。
緑戦、兵働にはかなり激しいマークがくるんですかね?頑張ってほしいなぁ。

町田くんまだまだですか(>_<)涙!!
5年後のACLの舞台には10番背負っててほしいです。
大塚くんも。
by 秋津蜻蛉 (2012-06-15 14:55) 

nuruinu

> 秋津蜻蛉さん
こんばんは!!

おっしゃるとおり、鳥取側は想定外というかスカウティングミスと修正がうまくいかなかったんでしょうねえ。45秒くらいなので修正しようもなかったですが。兵働さんは16番と2番のサイドで付くつもりだったのかも知れませんけど、内に寄ってプレーするので、混乱したということじゃないでしょうか。兵働もフリーになるし、サイドの武田もフリーになるという結果になったのかもしれません。

町田くんプレー自体は大きな期待を寄せてます。5年後はヨネ、大介、町田、(戸島、しんのすけ、祥、井出にも期待)が主力でスタメンが組まれるように期待したいですね。それにはガムシャラにガムシャラに先輩達と対等にやってかないと、なかなかポジションをくれる先輩達ではないでしょうから、がんばって欲しいです。

次節は、相当な激戦になりそうですが、兵働さんはしっかりゴール前に詰めて、ごっつぁんゴール決めてくれると思います。次も2得点1アシストくらいやってくれたらいいなあ。

ではでは。


by nuruinu (2012-06-15 22:04) 

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