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<妄想シリーズ3>導かれし者たち(第5章前編) [妄想シリーズ]

どうも、わたしです。


ジェフをモチーフに、

ドラゴンクエスト風に妄想していくこのシリーズ、

とうとう最終章の第5章です。




ここまでの話を読んでいない方はこちらからどぞ。

<妄想シリーズ3>戦士タケウチの冒険(第1章)
<妄想シリーズ3>やんちゃ王子コウタ、武者修行の旅にでる(第2章)
<妄想シリーズ3>ぶきっちょ武器屋オローイ、北国から冒険に出る(第3章)
<妄想シリーズ3>モンバーン(門番)兄弟グピ・タクオ、大事なものを守りぬけ!!(第4章前編)
<妄想シリーズ3>モンバーン(門番)兄弟グピ・タクオ、大事なものを守りぬけ!!(第4章後編)




第5章  導かれし者たち  


ここは、ジェフ王国の国境付近に位置する街、

”マイハマ”。


隣国で大都市であるトウキョウ王国に接し、

華やかで活気のある街である。


ここにナニワ王国から、

グピとサトシが、

命からがら帰還していた。



グピ「やっとマイハマの街についた。ここはもうジェフ王国の勢力圏。ひと安心だ。」

サトシ「一緒に逃げてきたのがお前じゃなかったら、とっくにやられていただろう。助かった。」

グピ「それはお互い様です。サトシがいなかったらと思うとぞっとします。しかし、タクオとタテ先輩は逃げられただろうか。」

サトシ「そして、一刻も早く勇者を探さなくてはいけないな。ヒントの”ネズミ”とは何のことなんだ。」




そこに見知らぬ男たちが、走ってくる。


警官「待てー!!喰い逃げだ!!そいつを捕まえてくれー!!」


警官が、なぞの少年を追いかけているようだ。



二人はものすごいスピードで走っているが、

少年は余裕で振り切って逃げてしまいそうだった。



サトシ「とまれ!!」

グピ「ここは通さないぞ!!」



正義感の強い2人は、道に立ちふさがる。



なぞの少年「・・・・・・・。(ニヤリ)」




グピ「なにっ!!!」



なぞの少年は、軽いフェイントを入れたかと思うと、

2人の間を軽々と抜き去った。



サトシはナニワ王国の守備隊長、そしてグピは王国の大手門を任せられるモンバーンであり、

突破に対する防御のスペシャリストである。



ケガをしているとはいえ、

少年に正面突破されるなど考えられないことだった。



サトシ「あいつは何者だ!!」

グピ「身体能力がとりわけ凄いわけではなかったんですが・・・。不思議な力を感じました。ひとまず追いかけましょう。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




なぞの少年「はなせー!!」


道路の向こうのほうで、

逃げていた少年が、

なぞの紳士に首根っこをつかまれ、叫んでいた。



紳士に捕らえられたようだった。



少年の後ろ襟をつかんでつるしあげている紳士は、

警官のところにゆっくりと歩いていくと、

穏やかな口調で話しだす。




紳士「わたしは、新しくジェフ王国の武道指南を任された、キヤマーというものです。」

なぞの少年「はなせー!!はなせよ!!」

警官「捕まえていただいてありがとうございます。さっそくお引き渡しを。」

キヤマー師「この少年だが、処分はわたしに任せてもらえないだろうか。食い逃げのお代はわたしが払うから。」

警官「わかりました。魔王軍に攻められている我が国では、師父の活動には御免状がでていると聞いております。ご指示に従います。」

キヤマー師「ありがとう。この少年は、こちらでしっかり更生指導しますから。」



追いついたグピとサトシも、

その様子を固唾をのんで見守っていた。




なぞの少年「はなせー!!おれはこんなところで捕まるわけにいかないんだ!!」

キヤマー師「なんで喰い逃げなんてしたんだ。話してみろ。」

なぞの少年「おれは、生き延びて魔王軍に復讐するんだ。」

キヤマー師「何?」

なぞの少年「親も家もみんな魔王軍にやられてしまったんだ。おれは喰い逃げしてでも生き延びて、必ず魔王軍に復讐するんだ。」

キヤマー師「・・・・・・・そうか。おれは、そこにあるジェフ王国の訓練施設で武道指南をすることになっている。お前もそこにくるか?」

なぞの少年「でも、おれは復讐を・・・・」

キヤマー師「そこなら飯も食えるし、なにより、魔王軍と戦うための技術をおれが叩き込んでやろう。悪くない話だろう。」

なぞの少年「おれはそんなところには行かない!!」

キヤマー師「いまの警官からお前の処分は任されている。つべこべ言わずに来い!!これは命令だ。」

なぞの少年「・・・・・・わかった。いくよ。行ったら飯をくわせてくれよ。」




グピ「話を立ち聞きしてしまいました。師父殿、わたしたちも連れて行ってくださいませんか?」

キヤマー師「君たちは、その体つきから察するに相当な戦士たちだろう。指導は厳しいものだが、来るか?」

グピ、サトシ「はい!!」

サトシ「その少年は、何者でしょうか。」

キヤマー師「わからん。しかし、何か不思議な力を持っているようだ。君たちもそれを見抜いて、一緒に来る気になったのだろう?わたしは、この街に伝説の勇者が現れるかもしれないという情報を聞いてやってきたのだ。それが誰なのかは、候補を探して1人ずつ鍛え上げればわかることだろう。」



グピ、サトシは、考えていた。


あっさり自分たちを抜き去った少年は、

ジェフ王国を救う存在になるかもしれないと。


それに賭けてみようと。



サトシ「少年、名前は何と言うんだ?」

なぞの少年「おれは”ショウ”だ。」

グピ「そうか。よろしくな、ショウ。」





魔王軍の攻勢は、

次第に激しさを増していく。



しかし、

ジェフ王国の国境の地で、

不思議な力を秘めた少年のもとに、

導かれるように戦士たちと、

彼らに技を授ける師父が徐々に集まりだしていた。



少年は何者であるのか。

そして、他の戦士たちは魔王軍に立ち向かえるのか。



キヤマー師は、

静かな目で、少年と戦士たちを見つめていた。

彼だけに、行く末が見えているかのようだった。



中編に続く・・・・・・・・・・・・・・・・・




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